労働時間を記録する

昨年末にアニメ制作会社で働き始めてから、個人的に労働時間を記録している。

社員ではなく(個人事業主扱いの為)最低賃金が適応されず、出来高制となるため完全に時給換算するのはやや短絡的ではあるものの、データとして記録する意味合いは大きい。

推移を比較することで失敗した(長時間労働になってしまった)期間の原因を探ることが出来るし、また他データと組み合わせることで仕事単位でどの程度時間がかかったのか等が分かりやすく可視化される。

またクローズドな業界故こういったことは記録に残りにくく改善されない側面もあるため、「実際どうだったのか?」を思い出話ではなく記録として提示できるフォーマットを作ろう、という思惑もある。

某広告代理店で自殺した若者のツイートログから勤務時間を割り出し、労災として認められた件は記憶に新しい。

データは時として間違った使い方もされるが、そもそも記録しないことには話が始まらないのである。

仕組み

データは信頼性が大切である。

そのためには、細かく手軽に記録できる必要がある。
打刻をサボって息抜きや仮眠の時間が労働時間として計上されたらデータの信頼性は地の底だ。

そこで、打刻手段を複数用意し打刻の敷居を下げることにした。

  • googleフォーム
  • ボタンリンク
  • google アシスタント

以上3つの手段で打刻することができる。*1

このgoogleフォーム、有り難いことに裏側はスプレッドシート形式になっている。

googleフォームを使ったタイムカードを作り、そのデータが保存されたスプレッドシートにIFTTTを使ってボタンリンクとgoogleアシスタントから記録出来るようにした。

これによって、1~3何れかどれかの手段で打刻すれば自動で記録されるようになる。文明って最高!

実際に動作させた動画。これならヘトヘトで仮眠するときでも辛うじて打刻が出来る。

データを実際に見てみる

それでは実際に記録したデータを見て、分析してみる

これは先月、つまり2021年7月の記録である。

赤い日が自宅勤務、青い日が出社勤務だ。(リモートワーク最高!)

数字を見ると泣きたくなるような労働時間だが、やはり自分の行動と照らし合わせることで傾向が見えてくる。

googleカレンダーの予定表と比較してみる。

7月は自分が第二原画の仕事を始めた月であり、自分の仕事量を完全見誤って締め切りに追われており、見事にそれに翻弄されている様子がわかる。

流石に無理をした日はインターバルを挟んで休もうとする努力はしているが、次の締め切りのスパンが短いためそれもままならず息切れしているタイミングが幾つかある。

流石に余裕ができたのか月末は休んでいる日が多い。…のだが、記憶だと布団から起き上がることが難しくずっと寝て身体を修復していた。こういった記憶とのすり合わせが出来るのもデータのメリットである。

次に、記録し始めてからの期間でデータを見てみる

余りにも見辛い。

月ごとにデータを纏めてしまった。

これは労働時間の月ごとの合計である。

目安として、上限勤務時間(週5*8時間労働を一ヶ月続けた場合の数値)と過労死ライン(80時間残業)のラインを載せてある。

自分は11月半ばに入社した。

その時点で会社は社内の案件に追われており、3月末にその案件が終わるまで現場で対応する(TP修や動画Rなど)作業が多く、4月になるまでは勤務時間が増加し続けている。

4月には会社が反動で半分停止状態になり、休みを満喫できた。実際のデータも、人の半分も働いていない。

6月から第二原画をやらせてもらえることになったが、ここから労働時間が跳ね上がっている
慣れていないのとノルマの問題でどうしても時間がかかり、目安の時間を大幅に上回ってしまっている。
これはよくない。

また、今年に入り社内でデジタル化が進んでおり、6月以降、デジタルの仕事しか取らなくなった。その為スキャン作業だの何だので出社する必要がなくなり、6月以降はほぼリモートで仕事ができている。

こういう流れがデータに現れていると正直気持ちいい。

反省

見ての通り、現在あたっている問題は第二原画を始めたことで労働時間が跳ね上がっている事である。

原因は二つで

自分の筆が遅いことと、スケジュール調整の失敗の二点である。

自分の筆については、これは頑張るしかない。社内はデジタル化が進められているもののまだ吟味されておらず、仕事しながら仕組みを確立していく以上時間がかかるのは正直しょうがない。あとは時間を重ね最短でカットを終わらせる技量をつけていく他ない。

スケジュールについては、7月は自分の調整ミスだった。そもそも仕事を取る仕組みが2原から変わった事もあり、大きく反省してる。
…のだが、8月入っても同じようにヒーヒー言っている。これは制作進行さん同士で情報共有がされておらず、自分の仕事がダブル(トリプル)ブッキングしてしまったせいだった。自分の管轄外で事故が起こることもあることを学んだため、そのきらいがある制作さんとは頻繁にこちらから確認する対策を行い、事故防止に努めようと思う。

因みに完全に余談なのだが、弊社は月の稼ぎが10万円に届かなかった場合、10万に届くよう差額を補填してくれる神制度がある。自分は第二原画になってからも月10万の稼ぎを越えられていない。自立への道は遠い。

おわりに

色々書いたが、純粋にこのデータ収集は趣味みたいなものである。

仕事の情報も一元化しており、こういった細かい情報と組み合わせることによって更に可視化される箇所もあると思う(一カットどの程度時間がかかるのか、重いカットをチェックしておくことでどこで躓いたのかがわかるかなど)

最後に自戒として、データに振り回されないこと、これにだけは注意しておきたい。
あくまで自分を俯瞰視することを目的だということを忘れてはいけない。

本当に余談

8月28日はゴニアタイトの誕生日!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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訂正

*1 3つと書きましたが4つでした。出社時にはスマホのwifiの接続をトリガーに自動で打刻されます。

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